つはる自主制作音源「Escape from koenji」
一見、すてきなように見えるけれど、猛毒を隠し持っている化け物がいた
その化け物は、自分の持つ毒を愛と勘違いし、一人の人間を破壊した
壊された人間が歌う、叫ぶ、本当の言葉とメロディー
43分の再生の物語
ライブ会場・通販にて販売中
「Escape from Koenji」について
2021年の前半、精神的に追い詰められていた。
お地蔵さまの前で手を合わせ、泣くしかできない日や、それすらもできずに、ベッドから起き上がれない日や、悪夢を見たり過呼吸になったりする日が続いていた。
外出中に白昼夢を見て、数時間、記憶がない日もあった。
もう死ぬしかないと思い、何度も自殺を試みた。
ときどき、色んな人に、助けを求めた。
「時間の無駄だから考えない方がいい」
「取引してライブしていたんでしょう」
そういう、無理解な声しか、かけられなかった。
絶望するしかなかった。
8月頃に「pray」を作ったのをきっかけに、だんだんと、元気になっていった。
「pray」は、つらいとき、私を救ってくれた。
そして「pray」にたくさんの意味を与えるために、痛い気持ちの曲をたくさん作った。
タイトルは「pray」を作った頃、「次は、これしかないな」と決めていた。
前作「hahagoroshi」と同様に、自分の苦しみを表現するために作ったのだが、「もっと、きちんと伝えたい」と思った。
なぜ、苦しんでいるのか、伝えたい、と思った。
私は、あいつのことを秘密にして、元気なふりをするのは、もうやめようと思った。
たとえ嫌がらせをされたとしても、
私は、幸せになるために、あいつのことを伝えたい。
音楽で、自分が苦しんで生きていることを伝えたい。
私の苦しみが、決して、被害妄想ではないんだということを証明するために、作った。
このCDを聞いてくれた人が、「色々あるけど、生きるのがんばろう」と思ってくれたら嬉しい。
1.私はあなたにとって何?
紙を破く音から始まる曲。たくさんの紙を破いて録音したので、部屋が散らかりまくった思い出の曲。
もともとは、夜野ムクロジさんのアニメ作品に、インスト曲として提供した曲だったのを、歌ものにアレンジし直した。
2.オーバードーズ
今年の1月中旬に作った曲。1月はショックな出来事があって、太宰治みたいになっていて、その太宰治モードの時に作った。
(現在は無事に太宰治モードから通常モードに戻った、よかった。)
トラックは、12月に対バンしたベースの人が、ねちっこいベースを弾いていて、いいなと思って、なんとなく、その人になったつもりでねちっこいベースを打ち込みで作った。
トラック作りでは、対バンのミュージシャンの演奏をみて、参考にしていたりすることが割とある。
3.呼吸
夜にたまに過呼吸になるので、その気持ちを曲にした。
朝や昼に調子が良くても、夜にふと色々思い出して過呼吸になるので、調子がいい時の曲調と過呼吸の曲調、二つを一曲にまとめたらどうなるかなと考えて作った。自分の中では新しいアプローチで作った曲で、気に入っている。
過呼吸は本当に辛い。30分くらいじっとしていれば、おさまるけれど、その、30分が永遠のように感じて、辛い。
その辛さを、上手く表現できたと思う。
4.害虫駆除
この曲を作ったのは2017〜2018頃、ギターの弾き語りで作った。
ずっと、きちんとした音源に入れたいなと思っていたので、今回、収録できて嬉しい。
トラックは「セミ爆弾の音」をイメージした、ぶぶぶぶ・・という音をこだわって音作りしたので、その音は結構気にいっている。
最後に、童謡を入れたのは、特に意図はなく、思いつきで入れてみたけど、意味深な感じがして気に入っている。
5.ねこ人間
この曲を作ったのは2021年4〜5月頃。
ある日、家にいると、死にたいと考えてしまうので、やばいと思って外へ出た。
でも行く当てもなくて、2時間くらい、ひたすら、歩いていたら、気がついたら、全然知らない商店街を歩いていた。
地図を見たら、いつも行かない道ばかり選んで歩いていたみたいで、近くに電車の駅もなくて、バスに乗って横浜駅までいって、なんとか帰ってきた。
その時の気持ちをそのまま歌詞にした。
曲はギターで作ったけれど、トラックにはウクレレを使った。ウクレレのポロポロしたかわいい音の方が、重苦しくならないかなと思った。
ネコの声や、家の裏の山で録音した鳥の声も入っていて、かわいい子守歌のような雰囲気になったと思っている。
6.音楽がやりたいだけなのに
この曲は2021年の12月に作った。
自分の発達障害の苦しみを音楽にしたい、と思って作った。
発達障害のせいで、他人の発言に裏があること、嘘や冗談が全くわからない。そのため、自分の身を守ることができない。
それを説明しても、ほぼ誰にもわかってもらえない。「大人なんだから」とか「隙があるからいけないんでしょ」と言われるだけ。
それがどんなにつらいことか、伝えたいと思って作った。
7.私の心をかえして
この曲は10曲の中で一番新しい曲、2022年3月につくった。
前作「hahagoroshi」収録曲「hanarebanare」を最近、ライブでやるときに弾いてるピアノを、別の形で曲にできないかと思い、ピアノを録音しておいたのだが、なかなか歌詞が付けられず、しばらく放置されていた。
それに、ぴったりの歌詞を思いついたので、録音した。
本当は別の曲を入れるつもりだったのだが、「この曲の方が、このCDの内容に合ってるな」と、思い、マスタリングを依頼する直前に差し替えた。
8.pray
昨年8月に作った曲。前作「hahagoroshi」収録の「邪悪の森から」のメロディーと同じメロディーの曲で、希望のある曲にしようとして作った。
辛い時、讃美歌をパイプオルガンで演奏している動画をYouTubeでよく見ていた。
なんとなく、自分の曲を、シンセのオルガンで弾いてみる遊びをしていたら、「邪悪の森から」のメロディーをシンセのオルガンで弾く曲を作りたいっておもったのが、きっかけで作り始めた。
トラックは3〜4日くらいかけて作った
雨の音は以前に録った台風「ハギビス」(2019年10月)の音。ものすごい暴風雨だったので、すこし風雨がやんだ頃に、玄関で録音をした。
自分を救いたいという気持ちが一番あるけれど、聞いた人にも何かを与えられたらとおもい、歌詞を書いてみた。
コロナ禍、不景気、ネット社会のギスギスした感じ、、、どんなに心と体が健康で楽しく生きてるように見える人たちでも、私が持つ生きづらさとは、別の生きづらさを持つ人が、世の中にはたくさんいるのだから、、
そういう気持ちで歌詞を書けたのは、はじめてだと思う。
9.メタモルフォーゼ
手塚治虫の「人間昆虫記」を読んで、「私は、自分にしかできないことをやりたいな」と思い、その気持ちを曲にした。
「メタモルフォーゼ」というのは「変態:虫が、卵から孵り、幼虫になり、蛹になって成虫になること」という意味。
私は、いま、蛹かもしれないし、幼虫かもしれない。
自分にしかできないことを見つけられたら、きっと、立派な虫になれると思う。
10.hands
曲を作り始めた頃に作った曲。
今回はギターの録音にシンセを重ねたり、コーラスや言葉などを随所に入れてみた。
この曲、いまいち人気がないけれど、私の持ち曲の中で、唯一、「なんかよく意味わからない歌詞」だと思うので、メッセージ性の強い曲ばかりの最後に入れたかった。
辛いとき、不安な時にお参りしていたお地蔵様
お地蔵様の顔を見るとほっとします
手塚治虫「人間昆虫記」の好きなシーン。
つはるの好きな讃美歌39番
「日暮れて四方暗く」